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六道参り


京都の恐山、いや平安時代かららしいから元祖恐山といいますか、冥界と現世の境目、六道の辻へ行きましょう!
実は一回も行った事が無かったりして(^_^;
当家に六道参りの風習が無かったんです。家から徒歩15分ぐらいなんですが。

ほな行きましょう!
(このコンテンツは平成10年8月9日と11年8月8日の2年分を編集してあります。)
touki2.jpg まず最初に五条通りの陶器市に行ってまいりました。
さすがに凄い人の多さです!(’98.8.9)
六道参りと同時期に行われる陶器市は 五条通り(義経と弁慶で有名な五条大橋の架かっている通り)の川端通りから東大路間でおこなわれます。
通りの両側に地元清水焼をはじめ、全国の焼物の窯元が持ち寄った陶器を市価の7〜8割で販売します。
touki1.jpg あまりの人の多さに30m程歩いてすぐ六道さんに向いました。
(この日の気温35度超えてました)
だって、あんまり陶器に興味がないもんで。
でも、陶器好きにはたまらないぐらい色々な焼物が有りました。

roku.jpg ここが六堂の辻です。
六道の辻とはあの世とこの世の分かれ道らしいです。
だから、京都の人は御盆前になったら六道さんに御参りして 御先祖様の精霊をお迎えに行くのです。
(京都人は御先祖の精霊を「おしょらいさん」と呼びます)
この附近には三つのお寺があります。
rokudou7.jpg 六堂さんも御参りの期間中は たくさんの露店が軒をならべます。
やはり年寄りが多いせいでしょうか?
履物や婦人服などの出店が目立ちます。
その他、仏具を売っている店、陶器を売っている店なんかがありました。
rokudou2.jpg 最初は六波羅密寺です。

このお寺の宝物館(有料)にはたくさんの 「重要文化財」があります。
なんと教科書でお馴染み(変な表現)の 「空也上人立像」もここに安置されております。
そうそう、学生の頃タバコの煙りを口から吐き出し 「空也上人像」って遊んだ奴です。
え、そんな遊びしてへんかった? おかしいな〜京都だけやろか?
rokudou3.jpg さて、なぜこの辺りはあの世関連のお寺が集まってるんでしょうか?
この地は元々「轆轤ヶ原」と呼ばれ、それが訛って「ろくはら」になったらしいです。その気色悪い名前の由来は、風葬の地・鳥辺野の入り口だったことからきているそうです、昔この辺りは今でいう火葬場、死体処理場と言ったらええんでしょうか?鳥辺野の名は、死体を木に吊しその死肉を鳥に喰わせ「風葬」としたからやそうです。
現代でもここから東へ数キロ行った所に京都市の火葬場があります。
     
rokudou5.jpg ここが西福寺です。
西福寺には「壇林皇后九想図(だんりんこうごうくそうず)」という 美しい壇林皇后が死んで土に還るまでを 九段階に分けて書いてある図があるそうです。
この写真だけ、中央にモヤのようなものが写ってしまいました。
さすが、冥界に入り口だけあります。 恐いですね〜
「こんな、気持ち悪い写真見せやがって!たたりがあったらどうするんだ〜」
大丈夫です! 藤村屋のホームページの看板は、本能寺 (信長が焼き討ちに遭ったあの有名な寺)の御坊さんに書いて貰ってますから!
たぶん、、、
rokudou17.jpg こちらでは六道名物幽霊子育て飴を売っています。
え、幽霊飴知らん?
では八代目が爺さん(六代目-故人)に子供の頃聞いた話をそのままお教えしましょう。
それはかなり昔のことじゃった、、じゃなくて京都弁だから、、昔の事やねんねどねえ〜。
六道の辻近くに飴屋があってな、ある夜木戸を叩く音が聞こえたそうや。
店主の爺さんは「なんや、こんな夜更けに」と思うたんやけど、しゃーないさかい戸を開けたんや。
そしたらなんとも顔色の悪い薄気味悪い女がおってな、「夜更けに気の毒ですけど、飴を分けてくれまへんやろか?」と言うたんや。
爺さんはなんや気色悪かったんやけど、そこは商売人やさけ、飴を売ったんや。
そしたらそれから毎晩、毎晩その薄気味悪い女は飴を買いにきよってな、爺さんほとほと困ってある夜その女の後をつけていったんや。
そしたら、その女墓場まで来たと思うたら「ふ〜」と消えよってな、爺さんえらいビビってしもて近所のボンサン(寺の住職の事)の所へ相談しに行きました。
ほしてそのボンサン、次の日に爺さんとその墓場まで行きよったんや。
そしたら、その墓場からなんや赤ん坊の声が聞こえよる。
ボンサンその墓を掘り起こしたら、なんと飴をしゃぶった赤ん坊が土の中から出てきたんやと。
で、その墓の主を調べたら、一寸前に出産直前で亡くなった若い女の墓やったそうや。
どうやら、死んだ後子供を出産してしもて、お乳が出えへんもんやから幽霊となって飴で子供を育てていたんやと。

ひ〜怖い話や!

ふ〜どうでした。恐かったでしょ。へ?怖ない?
僕は子供の頃、この話を聞いた夜、怖くて眠られへんかったんですが、、、
僕が爺さんに聞いた話を出来るだけそのままお伝えしました。
rokudou8.jpg あ、あれは「前田のベビーカステラ」じゃないか〜
これを買わずして祭り(?)に来たとは言えまへん!
御参りの途中ですが、ちょっと寄っていきまひょう〜。
rokudou9.jpg ひゃ〜美味そうに焼けてるやんか〜
これは、卵を仰山つこうてるさかい滋養があってええんやで!
え、きょうび "滋養がある" なんて言いませんか?
いややね〜物の豊かに育った人間は!
まあ、ええさかい一つつまんでみ〜。
どうですか? 美味しいでっしゃろ?
rokudou10.jpg ほんなら、買うていきまひょ!
僕の死んだお婆ちゃんがこれが大好きでね〜
ちょうどお供えにええわ!
帰ったら早速仏壇にお供えしよ!

もぐ



もぐもぐ


ん・うぐぐ
げほげほ!喉につまったがな〜

あ、仏壇に供える分まで全部食べてしもた(^_^;
お婆ちゃんに祟られるかもしれん(泣)

rokudou11.jpg あ〜すみません!
つい大好物を発見してしまい我を忘れてしまいました。
つぎは、六道珍皇寺です。

六道の辻周辺にはたくさんのお寺がありますが、どうやらこの寺が中心的なようです。
一番多くの人が御参りされてます。

入り口附近には沢山の花屋さんが
「高野槇(こうやまき)」という古来より葬具として用いられた仏花を売っています。
rokudou12.jpg このお寺には冥界に通じる
「六道の辻井戸」があります。

小野篁(おののたかむら--小野妹子の子孫だそうです)という人が
昼間の宮仕えが終わったら、夜は閻魔大王にお仕えする為に、
この井戸を通って冥界へ行ったそうです。
いったい何時寝ていたんでしょうか?
その方法が解れば藤村屋HPの更新がもっと早くなるのに、、、
と思う僕でした。

(ちなみにお盆期間中は井戸を非公開とされているようです)
rokudou13.jpg この掛け軸はなんでしょう?
ちょっと近付いて見てみましょう。
roku1.jpg 「当山寺宝 十界の図(地獄極楽図 江戸時代作)」と書いてあります。
なるほど! 右上に仏さま、左上に閻魔大王がいらっしゃいます。
一番下は血の池地獄かな?
御参りの時子供たちは、親御さんから「悪いことしたらこんなふうに
閻魔さんに地獄に落とされてひどい目にあわされるのやで!」
と脅かされて躾けをされます。

まあ、きょうびの子供はビビらへんやろけど、、、
rokudou14.jpg これは、「迎え鐘」です。
外からは鐘の姿が見えません。

この鐘の音は、冥界まで届くんだそうです。
沢山の人が行列して鐘を鳴らしていきます。
一番人出のある時には、この回りを人が列んで、とぐろを巻いている(変な表現)そうです。
rokudou15.jpg ひょっとしてこれは「お迎えに来ましたよ〜」と
あの世にいらっしゃる御先祖さまにお知らせしているのかな?
さしずめ「ほな、一緒に家に帰りましょか」というところでしょうか?

rokudou16.jpg いや〜沢山あるきましたね〜
楽しかったですか?
なにぶん初めて行ったもので、見どころがわからなくて
頼り無いガイドでしたが、、

はい、これで皆さんも明日から、ここ一番の大勝負に出る時は「あっしにもしもの事があったら鳥辺野へでもうち捨ててくれい〜」と捨てゼリフを吐きましょうね(笑)